金唐紙の復元

金唐紙の復元作業

明治から昭和初期にかけて、日本の洋風建築を華やかに彩った「金唐革紙」。和紙に金属箔を貼り、文様が彫刻された円柱型の版木に巻き付け、専用の刷毛を使い分けエンボスを打ち出して制作するこの豪華な壁紙は、鹿鳴館や旧岩崎邸、旧日本郵船小樽支店といった名だたる建築物に使用されてきました。しかし、その制作技術は戦後一時途絶え、現存する貴重な壁紙も経年変化による劣化や剥離という危機に直面しています。

現在、これらの歴史的遺産を守るための「復元作業」が進められています(上写真はオーストラリアのリポン・リーの資料を見ながら版木を彫刻する様子)。復元は、特徴的な凹凸文様の元となる当時の「版木」を用いて、あるいは版木を復刻することから始まります。それをもとに新たに金唐紙を作り上げ、壁紙の貼り替えにも気を使い、伝統的な下張り(ベタ張り、袋張り)を丹念に施して進めます。

この復元作業は、単なる「壁紙の張り替え」とは決定的に異なります。それは昭和の時代に一度は失われかけた日本の伝統工芸を現代に蘇らせる試みであり、時間をかけた手仕事によって命を吹き込まれた金唐紙は、再び黄金の輝きを放ち、訪れる人々に当時の日本の美意識と技術力の高さを伝えているのです。

復元と修復

入船山記念館「客室」
入船山記念館「大食堂」
旧前田家本邸書斎
旧池田氏庭園洋館
旧林家住宅(長野県岡谷市)
リポン・リー
旧岩崎邸庭園洋館「客室」
旧日本郵船小樽支店「貴賓室」
坂本宿脇本陣永井家記念館
起雲閣 幾何学文様
旧藏内邸 花唐草文様